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2007年7月 6日 (金)

水滸伝(14)爪牙の章/北方謙三(単行本)。

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なんか重苦しくなってきた気がする14巻。

読み疲れただけなのかもしれないが。


水滸伝〈14〉爪牙の章


宋が攻勢に転じてきているので、

局地戦に勝利をおさめたとしても、多勢に無勢。


梁山泊に未来が見えないというか、苦しい戦い。

また、優位に立つことがあるのだろうか。

それとも、このまま追い詰められていくのか。


まだ、見せ場があるはずだとは思うけど。


以下、ネタがモロバレ。


矮脚虎と呼ばれる、脚の短いみっともない男・王英

飛龍軍の大部分を指揮し、恩州に展開中。

手の届くはずのない海棠の花・扈三娘を思う。


晁蓋を暗殺した史文恭を見つけ出そうとするのは劉唐。

五千名を率いて、全国を飛び回る。


扈三娘が徐寧とともに、一千騎の調練をしに双頭山へ。


双頭山を守るのは董平

闘ってみたいという童貫を評して、

「官軍だけでなく、梁山泊でも童貫を恐れている。

 童貫に恐れられるなにかがあるとしたら、

 戦が美しいものだと考えていることだろう。

 美しさは残酷であり、同時に非凡でもある」


済州にいる裴宣に、

孫二娘が「好きですよ、裴宣様を」と、

いつしか恋仲になっており、結婚することに。

数いる豪傑のなか、裴宣の真面目さが際立つね。


晁蓋がいなくなって、二度目の正月が梁山泊に訪れる。

自分に頭領たる資格があるのかどうか、盧俊義に訪ねる宋江

「私の、どこが頭領なのだ」

「自分はこれでいい、とどこまでも思わないところがだ」


北京大名府の軍、五千(囮)が北へ。

鮑旭の一千と扈三娘の騎馬隊が出動。

指揮官として育ってきた鮑旭

 林冲や、史進のような天声のひらめきはない。

 しかし、ほんとうのことを見きわめようという粘り強さと、

 冷静さがある。

その鮑旭が大胆な決断。

官軍の動きに気づき、扈三娘を宗城に急行させる。

実は官軍の狙いは、飛龍軍。

苦境の王英、楊林らは、鮑旭の決断に命を救われる。

そして、ここでも身を呈して扈三娘をかばい、

肩に矢を受ける王英。何度目か。

この二人。

悲運の恋の結末が待っていそうな感じですが、どうでしょう。

特に王英に。


南京応天府にいる張横、飛脚屋。張順の兄。

長男・張敬を梁山泊に行かせ、

盗難ぐせのある二男・張平を連れて旅に出ます。

開封府から北へ進路をとり、石梯山に。

石梯山は、威勝の叛乱への拠点。

李逵、武松のコンビが要塞を築いているところ。


盗みぐせのある張平は、

武松の小袋(小さな石がひとつ)に手をかける。


それが見つかって李逵に捕まった張平。

「李逵、その板斧で、私と平の首を刎ねてくれ」と、張横。

涙をながす張横・張平親子。


武松は「西へ行け」と。

子午山を目指すことになった張横と張平。

親として悩む張横に、

「なにも申されますな」と、ただ張平を預かる王進。

楊令は十二歳になっている。


なんか、こまごましたエピソードがあったこの親子。

これだけ語られるということは、まだ若い張平。

今後の主要キャラになるんでしょうか。


史進は、済州の妓楼にいる季端蘭にご執心。

闇の妓楼で青蓮寺の手によるものね。

そこで、鄒淵とともに襲われ(首謀者は蒼英)、

その騒ぎのなか、呂牛によって、柴進がさらわれそうに。

大事にはならなかったものの、

組織が大きくなるにつれ、脇が甘くなってきたのか梁山泊。


暗殺といえば、樊瑞

袁明の命を狙い、それに手が届こうかという刹那。

袁明の影・洪青に打倒される樊瑞。

わけのわからぬまま侯健の手助けで梁山泊に逃げ帰りますが、

(この侯健の立ち位置がいまいち不明。

梁山泊の手のものとばれていながら、なお潜伏中)

樊瑞は、脾腹を打たれており、命は助からない。

「三日後に死ぬか、いま死ぬか選べ」という安道全に、

苦しんで三日生きることを選ぶ樊瑞。

ただ、自らに迫る死を見つめる。

死は、黒い穴のようなものだった。

覗きこんでもなにひとつない。ただの闇だ。

安道全に死について聞かれて、

「すべてがなくなる。それだけは、実感できるな」

やがて、死が訪れる。

死の足音だけを聞く、ここだろう。

はらりと落ちた樊瑞の命。

李袞の死から、死について考え、

暗殺を自らの使命とし、

最期は、静かに死を実感する。


石梯山では、傭兵として緑の軍袍で現れた張清。

飛礫の使い手。

生け捕りを試みる魯達たち。

たぶん、仲間になるんでしょう。


宋が全軍二十万で動き始める。

正攻法で、梁山泊を叩き潰す作戦。

流花寨、二竜山、双頭山の各所に大軍が押し寄せる。


五丈河では、三万を率いる趙安を、呼延灼、穆弘、項充が相手。

劉高が率いる四万の宋軍は穆弘が撃破。

主戦場は、流花寨へ。


双頭山の董平率いる四千五百に対して、

六万(真定府と大原府から)が攻め寄せる。

史進の遊撃隊も駆けつける。

長騎兵をはじめて試用。

あっさりと校医を破るなど、効果をあげる。

時を稼げ、というのが梁山泊からの命令。


二竜山には、董万の四万が押し寄せる。

全ての山を守るのは無理との判断。

解珍との話し合いで、

清風山を切り離すことを了承した燕順。

「いい人生だったよ」と、解珍を見送る。

退路を断って、清風山に籠る燕順。


董万は、清風山から二竜山に攻め入ろうと

八日におよぶ激しい締め付け。

兵の損耗を嫌う董万に対し、

山から大岩を落とした燕順。

その攻撃で死者四百。董万の怒り。

これが燕順の意地。最期の攻撃。

「ひとつ言っておく。ここは、俺の山だ」


清風山を占拠した董万だったが、

二竜山への道筋は塞がれいることを知る。


もう、志云々ではなくて、お互いの意地。

各所で防戦一方、緊迫した闘いが続き、息苦しい梁山泊。

童貫を引き出さないといけないので、

もう一泡ふかせる場面があると思うけど、あと五巻。

どういう敗者の美学が見られるのか。

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