水滸伝(13)白虎の章/北方謙三(単行本)。
巻頭は、阮小二。
水上の戦に備えて造船技術を磨いております。
官軍では、聞煥章が、
今年は、勝ちに転じる時。
今年じゅうに、双頭山を殲滅させよ。とやる気。
董万を見出し、北京大名府の将軍に抜擢。
呂牛には、宋太公(宋江の父)をさらってくるよう指示。
「志を貫くことは、父子の情をずたずたにすることか。
それは面白いな」
と、呂牛。絵に描いた悪役ぶり。
その宋太公のもとには、武松、李逵のいつものコンビ。
宋太公の心はかたくな。
自分を甘えさせたくない。と言う。
「わしは、息子たちに好きなことをやってみろ、と言ったのだ。
そして、存分にやりたいことをやっている。
それで、わしは満足すべきなのだ」
と、土と生き、土に還る人生。
流花寨では、初の水上戦が行われるも、
速さと機敏さに勝る梁山泊軍があっさりと勝利。
阮小二は、逃げ遅れた趙林という子供を引き取ることに。
生き別れた息子と同じくらいの年ごろ。って、息子やろ、趙林。
場所は変わって、
解珍との旅から帰ってきた楊春が変わった。
「ひとりだ、ということを教えてやった」と解珍が言う。
二竜山で、上級将校として配置されます。
秦明の二竜山は、解珍を軍師に、郝思文を副官に。
黄信が双頭山へ行き、その後釜に楊春が入ったかたち。
梁山泊の本隊は、
呼延灼、穆弘、董平、関勝の四隊が各三千。
徐寧が槍騎兵の調練担当。
楽和、彭玘、項充、郭盛が、各隊の副官という布陣。
だいぶ変わってきた。
秦明のところには、秦容という男の子が生まれました。
しかし、この物語。
幸せが不幸のはじまりなので、恐ろしいかも。
と、梁山泊の陣営がまとまりつつある頃、
官軍の一斉攻撃がはじまります。
流花寨に向けて、趙安の三万、宿元景の三万。
対する梁山泊は、総指揮呼延灼で、流花寨の防衛。
緒戦は、梁山泊軍が、まだ経験の浅い趙安を翻弄。
その後、両軍は、膠着状態に。
ところが、官軍の狙いは、流花寨ではなく、双頭山。
気づいた時には、
董万の北京大名府から二万の大軍が双頭山に。
北京大名府を空にしての、一斉攻撃。
絵を描いたのは袁明。思い切った作戦。
いきなり現れた北からの大軍に、
双頭山の軍営は壊滅。
春風山に逃げ込んだのは朱仝、単廷珪、宗清。
三千五百いた兵はすでに三百。
秋風山には、李忠、鮑旭、孫立など千名。
三万の軍に囲まれ、絶体絶命の危機に陥る双頭山。
用心深い董万の前、次々に仕掛けが破られます。
秋風山の李忠もなすすべなし。
危機のなか、鮑旭に、指揮官としての才能が開花しつつある。
朱仝は、百騎を引き連れ、
指揮官を打つことだけを目指して、
果敢に攻めかけます。
従うのは単廷珪。
報告を受けた秦明。
命令を待たず、即座に六百の騎馬で双頭山に向かう。
官軍の狙いを見抜けなかった呉用に厳しい目が。
呉用の視野が狭くなっている?
李俊をはじめ、現場の将軍から、責められる呉用。
陥落目前の双頭山。
しかし、朱仝が鬼神の働き。
それを見た、李忠も秋風山から百二十騎で進発。
攻めて反転するところ、
李忠の眼に入った敵本陣の旗。
李忠は、一騎で本陣へ。
そのまま、馬軍の中に消え、
再び現れることがなかった李忠。
その戦いぶりを見た朱仝。
「俺の副官だな。まさしく俺の副官だ」
李忠、朱仝の寡兵ながら強烈な攻撃に苛立つ董万。
そこに、秦明の六百が到着。しかし、いまだ多勢に無勢。
朱仝は、なおも闘い続ける。攻撃と反転の繰り返し。
その脳裏にあるのは、雷横の姿。
死んだ者のためにも、自分は闘い続けるしかない。
闘っているぞ、俺は。雷横、俺を見ているか。
死亡フラグたちまくり。
もはや、全軍で六人。
そこに駆け付けたのは二百騎の林冲。
その到着とともに、撤退する官軍。
その直後、林冲と秦明が見た光景。
敵がいなくなった軍営の焼跡。
一騎がぽつりと立っていた。そばには歩兵が二人。
朱仝の眼には炎があった。
傍らの林冲に朱仝が言う。
「おまえにだけは、謝らなければならん。
俺は、おまえより先に死ぬ。悪く思うな」
「いいさ、闘い抜いた」
「さらば」
眼にあった炎が、吹き消したように消えた。
朱仝もかっこよすぎる。。。
隊長のためにと、勝鬨をあげたのは鮑旭。
双頭山の陥落は、まぬがれたものの、
本隊と官軍の膠着状態は続いている。
呼延灼たちも撤退を決めるが、
容易に撤退をさせてくれる相手ではなく、
敵が動いたところ、攻めかけておいての撤退。
殿軍となったのは、項充、彭玘、郭盛。
彭玘は、項充、郭盛たちを逃がした後、
二百で敵の中に突っ込んでいく。
自らを犠牲に被害を最小限にとどめること。
そして、それが彭玘の死場所。
この戦で、呉用と現場の食い違いが露呈。
断を下すのは宋江。
「私が軍師として適任ではない、ということですか」と聞く呉用に、
「そうだ」と言い放つ宋江。
本隊の軍師として宣賛の起用を決定。
晁蓋の死後、軍師の役も担っていた呉用。
やや肩の荷が下りたか。
呼延灼。
韓滔に続き、古い友人である彭玘を失う。
韓滔が死んだ時と同様に、朱富の店に集う。
今回は、項充を前に酒を飲む。
韓滔が死んだ時、彭玘が憎まれ口を聞いて、涙を止めてくれた。
しかし、その彭玘の死。泣くしかない呼延灼。
項充の役割がだんだんと大きくなってきた。
千五百を率い、水軍の調練をすることに。
水陸両面での指揮官として期待される。
宋太公。
「私は、許されるべきではない。
こうして生きているのが、許されるべきではないのだ」
かたくなな心が、李逵の人柄でほぐれていく。
武松、李逵の活躍で、青蓮寺に誘拐されることもなく、
やすらかに最期の時をむかえる。
流花寨。
花栄の軍師として朱武。副官に孔明。
他に、欧鵬、呂方、陶宋旺、魏定国。兵站に曹正、李立。
双頭山には、三千の軍で董万が入り、
鮑旭、孫立、樂和などが従う。
公孫勝、樊瑞らは、青蓮寺の袁明、李富、聞煥章の暗殺を狙う。
禁軍の童貫。いまだ動かず。
「私は生きていると思いたい。
その思いを、全身で感じたい。
つまらぬことで、惑わされたくもないのだ。
私を圧倒するような敵と、全身全霊で闘ってみたい」
梁山泊が大きくなるのを待っている。
その童貫が董万を評して言うことには、
「董万は、負ける戦はせぬ。
しかし、勝つことはできぬ」
両刃の剣である流花寨。
その守備を確実にするために、
汴口にある官軍の造船所を襲う計画を立てる。
実行は、孔明。移動に童猛の水軍を。
無謀な計画に思われたが、孔明は実行。
火をつけることに成功するが、
退却する際、兵を助けようと自らが逃げ遅れ、
炎につつまれた孔明は、退却の合図。
やむなく反転する童猛。一瞬の差で、人は死ぬ。
孔明の犠牲のうえに百名のうち八十二名が生還。
毛頭星孔明の見事な死に、花栄が頬を濡らす。
とこんな感じ。
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